韓国で脱原発社会を目指す人たちと会ってきました

原発なくても大丈夫!?

枝木美香

アーユス仏教国際協力ネットワーク

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7月2日〜5日まで、韓国に行ってきました。目的は、韓国の脱原発運動に関わっている市民グループや仏教者と交流することでした。

曹渓宗の環境委員会において脱原発をテーマにしたシンポジウムが開催され、日本からの参加者も登壇しました。

Japan Network of Engaged Buddhism(JNEB)という、社会に関わる仏教者のネットワークにアーユスも関わっているのですが、JNEBは2011年から原発問題やエネルギー問題への関心を高めています。その流れで、今年度から来年度にかけて、アジアの中でも原発誘致国、誘致予定国を中心にエネルギー問題に関心のある仏教者を日本に招き、脱原発社会に仏教寺院がどのように関われるのかを考える場を作ることを予定しています。今回の韓国訪問も、この一連の企画の一環であり、日本での集会の事前準備として韓国の状況を学んできました。

今回は、Lotus World という仏教系NGOのジョンヒーさんが私たちの訪問先を調整してくださり、曹渓宗の環境委員会でのシンポジウム、慶州月城原子力発電所の視察、金先生という教鞭を執りながら市民運動の中心となり政府の原子力アン線規制委員会にも参加している方たちとの交流が主な活動内容でした。

現在、韓国には4箇所で22炉の原発が稼働しています。そしてさらに11炉が試運転中または計画中です。国家としては、エネルギー問題を地球規模の問題として捉え、その解決方法として原発を推進しています。慶州の原発を訪問した時も、このようなプレゼンテーションを受け、またドバイへの輸出にも非常に高い誇りを持って取り組んでいることが伝わってきました。原子力産業を推進できるのは、国家の技術力がある程度高いレベルにあるということの表れのような、そういう印象とも言えます。

韓国は、そもそも国が電気料金の補助金を出しているために、市民が払う金額は低いものだそうです。ですから、自然エネルギーの普及に取り組んでも、それを後押しする要因が少ないとのこと。しかし、元市民活動家を市長に持つソウルでは、固定買い取り制度のような制度が導入され、かつマンションでも使える移動式太陽光パネルの普及に力を入れているそうです。経済成長を目指す国において、電力源を確保するのは最重要事項の1つです。日本にも同じように、電気の供給量が減ったら大変なことになるという危機感があると思いますが、事故の経験もない韓国のそれは、もしかしたら日本以上に大きいかもしれません。

korea2金先生など、市民グループの方々との交流では、率直に今後の日本の原子力政策について、福島の状況について、それらに対する日本の市民運動などについて話し合いました。同じように経済がある程度発展した国同士、経済成長とエネルギー、都市と地域の格差、市民運動の限界など、同じ目線で話し合うことができたと思います。日本での原発推進を生み出した環境と韓国のそれとは似ているものがあります。その中で脱原発社会を目指すのは、お互い同じように困難があります。一方で、日本には福島の経験からの学びがある。韓国の人たちは、原発に関してもっと日本から学びたいと繰り返しおっしゃっていました。

私たちも、もっと日本の経験を共有し、かつ韓国の市民社会のあり方を学びたいと思います。海を挟んで向き合っている隣国同士、もっと情報交換と意見交換をすることで脱原発の大きな輪をつくれないかと、今後の活動にも活かしていきたいと考えています。

アーユスは、宗派を超えて仏教僧侶が集まり、仏教の精神に基づいて、1993年に設立された国際協力NGOです。

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