メディアはスポーツベッティングからどのように収益を得ているのか

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スポーツを扱ったゲームでは実際にレーンが存在しますが、ラインがどのように動いているのか、あるいはどちら側を選ぶべきか、といった商業的なコンテンツを超える、個人を中心としたエンタメコンテンツとなっています。 

スポーツベッティングが合法化される州が増えた2019年には、当時好況だったこの分野にスポーツメディア企業が飛びつきました。

Foxをはじめとする一部のメディア企業は、スポーツイベントへのベッティングによって発生するカジノマネーを入手しようとし、従来のメディアビジネスであるFox Betは、今年度中にスポーツブックを設立するために、カナダのギャンブルオペレーターであるThe Stars Groupと提携しています。

一方で、ギャンブラーにコンテンツを提供することで得られる広告、スポンサーシップ、アフィリエイトなどの魅力的な収入源を追い求めるスポーツメディア企業も増え続けています。ブリーチャーレポート(Bleacher Report)の戦略は面白いだけでなく学びも多いものです。

デジタルメディア会社であるブリーチャーレポートはギャンブルに特化したB/Rベッティングを通じてスポーツベッターをターゲットとしたプラットフォームのエンゲージメントを高めようとしています。同社によると、ブリーチャーレポートのアプリにおけるエンゲージメントはギャンブラーが非ギャンブラーの5倍の高さとなっているそうです。全読者の大半を占める若者の読者層の約82%がスポーツベッター、あるいはベッティングに興味を持っているという統計が出ています。

CEOのハワード・ミットマンによると、同社はスポーツベッターをターゲットにした新鮮なコンテンツを掲載してにしているほか、他のサイトと同様に分析やセレクションも行っています。Barstool Sportsをはじめとする他企業も、スポーツベッターの間で第一の選択肢となる地位を狙っています。2003年にスポーツギャンブラー向けの紙の新聞を発行する企業として創設されたBarstool Sportsは、9月にBarstool Betsと呼ばれるアプリをリリースして原点回帰を図るようです。

Barstool Betsはスポーツベッティングに関する全てが揃ったアプリです。Barstoolのオンラインでの知名度を利用しているだけでなく、ユーザーにライブベッティングの楽しさやプレイ方法を知ってもらうために、無料の新しいベッティングゲームも提供しています。スポーツベッティングが合法化される地域が増えるにつれて、新たな広告マネーやアフィリエイトをはじめとする収入源を確保するために、新規およびベテランのスポーツベッターに関する強力なデータベースを築くことを当面の目標に掲げています。

スポーツベッターを引き込もうとしているメディア企業はBarstoolだけではありません。

2017年に登場したChernin GroupのAction Networkは、プレイヤーが様々なスポーツブックにおけるベッティングの内容を一括でフォローできるアプリです。ベッター獲得のために細かい統計や分析も公開しています。Yahoo Sports、Nascar、PointsBet、ウィリアムヒル、DraftKingsといった企業と提携しコンテンツを提供しています。

その他のメディア企業もライブスポーツ放送の形式を将来的に変えることに対して興味を示しています。

Vegas Stats and Information Network(VSIN)は、米国の複数の地域で合法化される以前から同社のネットワークをスポーツベッティング専門にしており、ベッターを引き寄せる新たなスポーツ放送の可能性を探っています。

ESPNが一般的なスポーツファン向けの放送局だとすれば、VSINのようなサイトはキャスターがギャンブラー向けの分析や情報提供を行う番組を放送するという位置付けです。

このような新しい形態の番組は、今後数年内に実現する可能性が高いでしょう。現在VSINはSling TVやFuboTVといったストリーミングテレビサービスやSiriusXMのような衛星ラジオ局でスポーツベッティングのストリーミング放送を行っているほか、オンラインサイトでのコンテンツ提供も行っており、会員制度も導入されました。スポーツベッティングが、新たな形式の放送を含む様々な形で、スポーツリーグとの放送権に関する交渉に何らかの影響を与える可能性も十分にあるでしょう。

Nascar等のスポーツ権を保持している団体側も、スポーツ視聴者の生放送への関心を高める可能性があることからギャンブルの合法化がさらに進むことを望んでいます。2021年に始まる予定のメディアネットワークとの交渉の次のラウンドでは、スポーツベッティングがスポーツ権を保持する団体にとってよい交渉の材料になるかもしれません。